食の探訪録|糀まち食堂

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編集長

さんいん キラリ

山陰最古の駅舎、登録有形文化財のJR御来屋駅舎内にあるカフェ「糀まち食堂」のランチが旨いと友人に教えられ、早速行ってみました。

 

明治の遺構の御来屋駅舎横、以前産直市だったところにカフェ看板と暖簾が垂れていた。

 

左手にキッチン、プラットホーム側に設られた手造り感のカウンター席とさまざまな種類のテーブルと椅子が置かれた小ぢんまりとした店内。古箪笥や棚に並んだアンティークミシンや店主の趣向品にほっこりする空間。

 

ランチは数量限定の10月(神在月)の「糀まちごはん」一択といった女性店主が一人で営むお店。あいにくの曇り空で大山が見えなかったが、晴れた日なら真正面に大山北壁を望めるなった思った瞬間、突然特急列車が通り過ぎさった。

 

カウンター席はお客さんでうまっていたのでセルフサービスということで、テーブル席に落ち着いて、糀まちごはんを楽しむ。お膳に並んだ自家栽培米の雑穀ごはんと粕汁、大小様々な器に盛られた野菜を中心とした副菜たち。どれもこれも美味しそうで迷ってしまう彩りだ。

先ずは食前に生姜お酢ドリンクを一口。仄かなリンゴ酢、シナモン、カルダモン、クローブ、ブラックペッパーが入った爽やかな清涼感のドリンク。

 

お次に旬野菜の蒸籠蒸しを甘糀と塩谷さんの味噌でごまだれでいただく。鰹といりこのお出汁にお味噌、ほんのり優しい味付けの粕汁は体が温まる。

海老マヨ玉ねぎ糀、燻製風味玉といった適度に入ったタンパク質や切り干し大根と芋ずるナムルもご飯を欲する味わいでいい。生おから、塩糀を使ったねっとりとした里芋おからサラダも独特の優しい味わいだ。

どれもこれも仄かは糀を感じさせる体が喜ぶような料理で、吾輩がよくいく「苑」とはまた違った野菜を欲する時に伺いたいお店がでした。

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記事を書いたひと

「さんいんキラリ」は山陰の厳選された『食・工芸・人・地』を季刊で紹介する文化情報誌として2004 年に創刊しました。
四季毎にさまざまなテーマで特集される山陰の豊かな自然環境、暮らしのなかで育まれた旨い料理に手仕事の工芸などを紹介し、山陰だけでなく全国の書店で販売されています。37 号から山陽方面まで取材エリアを広げ、山陰山陽の魅力を美しい写真と文章で綴っている情報誌です。