〈前回の記事はこちら→東京からたどり着いた鳥取の地|鳥取を旅する①〉
丸さんを惹きつけるものは何か。「鳥取は山陰全体でいろいろな年代の人が混ざり、積極的につながり合ってお店づくりやイベントなどの行動を起こしています。しかも東京ほど大掛かりではなく、それが草の根的にできている。小さい動きが気持ち良くでき、つながりの密度が濃いんです」。初めて鳥取を訪れた時、商店街のシャッターが閉まっているのに人の息遣いを感じる不思議な心地良さと、箱庭のように収まる街と空の気持ち良さを感じたという。
古い木造建築を改装。1階がカフェ、2回は古物・雑貨ブロカント「脈々」、3階がギャラリー。丸さんの「気が付いたら集まっていたもの」で溢れている。
久松山へまっすぐ伸びる若桜街道商店街。
名物の中野オムライスはスパイシーでクセになる。薄くスライスした天然酵母ココスキーパンと。
直感的に本音を語る丸さんのもとには、いろいろな人が相談に来ることも。話を聞きながら、丸さんが反対に相談することもあるし、人や本、イベントを紹介することもある。「ここは飲食店だけど、それだけじゃない。来た人たちに興味がありそうな話をして、つないでいく場所です」。今後は市外にも拠点をつくり、県内を巡る場所をつくりたいという。新たなつながりが生まれる予感を感じながら、店を後にした。
「東京のシェアカフェでいろいろな事を試みている人たちの新たな地として、また休息の場として鳥取を知り、その味で県内を巡れる場所をつくれたらいいな!」と語る。
出典:さんいんキラリ 秋号 No.50
書店が少ない中心市街地で、無類の紙モノ好きが高じて蔵書を一般開放している丸山さんは“無国籍料理・シェアカフェ”を国内で最初にはじめた人。年齢不詳の若々しさで、飄々と新たな街で仲間たちとの繋がりからカフェや図書室を開設した丸山さんに注目です。