スカッと夏空となった今日、島根県江津市にある「Trattoriaキツツキ」取材。
今や連日予約で満席となる人気のイタリアン。
江津駅から南へ車で20分ほど。江の川と宮治川が合流する自然豊かな山間傾斜地に建ったモダンな建物が見えてきた。
綺麗に薪が積まれた店先のスロープに導かれてエントランス立つと、すぅっと涼やかな風が通り抜ける。
ルーフデッキからは周囲の自然が一望でき、カーテンのように強い陽射しを和らげるシンボリックな杉といい、思いきり深呼吸をしたくなった。
素通しでガラス張りの扉から現れた開放的な店内、三角屋根のスリットから優しい光が差し込んだオープンキッチンで店主夫妻に話を伺った。どこからかホトトギスの鳴き声が響いてきた心地よい空間だ。
先に到着していたカメラマンの真川留衣、呪文のような言葉をぶつぶつ口ずさみながら夢中にシャッターを切っていた。
はじまりはトロリとした優しい旨みのカボチャのスープ。
オリーブオイルとコショーがアクセント。お次は島根県素材をふんだんに使った前菜の盛り合わせ。Good Life Farmのベビーリーフサラダは、手作りのリコッタチーズの甘みとオレンジの酸味が心地よく、玄米のリゾット米を使用したライスコロッケなど体に優しい味付けだ。
ゴロゴロと肉肉しい石見ポークのサルシッチャのトマトのパスタを食べ終えると、メイン料理はサッパリと江津沖で獲れた真鯛のインバデッラを堪能させていただいた。
最後にドルチェと西製茶所の紅茶、全ての料理が一品一品丁寧に調理されて美しい。
女性を惹きつけるおもてなしサービスと料理、自然豊かな景観といったトータルで心地よさを感じるお店でした。
「さんいんキラリ」は山陰の厳選された『食・工芸・人・地』を季刊で紹介する文化情報誌として2004 年に創刊しました。
四季毎にさまざまなテーマで特集される山陰の豊かな自然環境、暮らしのなかで育まれた旨い料理に手仕事の工芸などを紹介し、山陰だけでなく全国の書店で販売されています。37 号から山陽方面まで取材エリアを広げ、山陰山陽の魅力を美しい写真と文章で綴っている情報誌です。