日記

スパシーバ(Спасибо)の思い出

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ライター

中前朱理

はじめまして。中前 朱理(ナカマエ アカリ)です。
みなさま、元気でお過ごしでしょうか?

近頃はコロナ禍で会いたい人に気軽に会うのも難しい。
オンラインで誰とでも話せる時代だからこそ、
本当に会った人との思い出は懐かしく感じてしまいますよね。

「あの人元気かなー」
そんなことを考えるさなか、ふと思い出すあるエピソード。

それはフィンランド・ヘルシンキからの帰りの機内。
私の人生において最初で最後(今のところ)の
「スパシーバ」を言った日のことでした。

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ヘルシンキ・ヴァンター空港から帰国の便に乗り込んだ17時30分。
旅の疲労感と満足感をたっぷりと噛み締め、
ブランケットが置かれた小さなシートへと腰掛ける。

その時は座席を指定していなかったのですが、
幸運なことに私の座席は左の窓際でした。

のんびりする前に、右隣に座るおじいさんに「ハロー」と軽く挨拶を。

気軽に挨拶をした矢先、返ってきた言葉なんとロシア語…!
どうやらロシアから来られた方のようです。
ただ、機内だからスマホの翻訳は使えないし…
一瞬は焦りました。

しかしそんな不安もなんだかんだで杞憂に終わるもの。
すごく気さくな方で、写真を見せながら色々とお話をしてくださりました。

どうやらおじいさんの旅の目的は、
日本に住む幼いお孫さんに会いに行くことのよう。

私も大学で履修したロシア語を思い出しながら会話に挑戦してみるものの、
いまいち伝わりきらない様子…。

それでもそのおじいさんの幸せそうな笑顔を見ていると、
不思議と私も幸せになったものでした。

日本もかなり近づいてきた時、
おじいさんと気付けに紅茶を一杯注文。

その時、おじいさんが何か小さいものを取り出し、
私に渡してくださりました。

これがその時にいただいたものの包み紙。
キャラメルのような、飴のような、
とても甘い小さなお菓子が入っていました。

「スパシーバ!(ありがとう!)」

唯一私がはっきり伝えられたロシア語。

「アリガトウ!」とおじいさんからも。

きちんと伝わった喜びも合わさって、お礼を言葉にできる幸せに少し感動。

普段はあまり意識しないけど、お礼の言葉にはこんなに心がこもっているものなのかと

改めて感じました。

飛行機が到着すれば、そのおじいさんともさようなら。
たった片道のフライトでの思い出だけど、なんだか忘れられない、そんな思い出です。

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あのおじいさんは無事にお孫さんに会えたのだろうか。
今このコロナ禍を、無事に生き抜いているのだろうか。

もう会うことはないかもしれない。
それでも、思い出してはそんな物案じがふと頭をよぎったり…

それは大事なことを思い出させてくれるようで、
私にとっては生涯忘れられないであろうエピソードのひとつとなりました。

貰ったお菓子の包み紙はそんな温かい気持ちを忘れないためのお守りとして、
いつでも手帳に挟んで持ち歩いています。

やっぱり、人との繋がりって面白いですね。

今思えば、好きなところに行って、どんな人ともお話ができることって、
本当に幸せなことだったんだと痛感します。

また自由にどこにでも行けるようになったら、
「本物の思い出」を探しにいきたいですね。
日本でも、外国でも、どこでも。

その時に備えて、ひとまず日本語含め言葉の勉強を頑張りたいところです。
「スパシーバ」だけじゃなく、色んなお話ができるように。

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ライターのコメント

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ライター

中前朱理

鳥取は海も山もあって自然がいっぱい!というだけでなく、どこか懐かしい街並みや、ぬくもりのある可愛い民芸品の数々など、とにかくワクワクするものがいっぱいです。そんな素敵な景色の中でドライブするのも、お家でまったりスローライフを楽しむのも、色んな過ごし方を受け入れてくれるのが鳥取の好きなところ。普段は絵を描いたり、英語の勉強をしたり、ドライブに出かけたり、浅く広くいろんなことにチャレンジしています。