いつもの暮らしに、サスティナブルな選択を―。
そんな思いではじまった、とりのひとの『ありのままベジフルの会』。
とりのひとから、皆さまへ新しい取り組みをご紹介いたします。

地元の良いもの、素敵なひとたちをご紹介するWEBマガジンを運営する、とりのひとスタッフは日頃、鳥取県内の農家さんとお話する機会があります。
その中で、たびたび話題にあがるのが「規格外」といわれるもの。
自然の中で傷がついてしまったもの、大きさが規定サイズではないものなど、最近では「ご家庭用」として目にする機会も多く、正規品より少し安価で買い求めることができるため人気もあります。


▲鳥取県は、柿やぶどう、梨など、昔からフルーツ栽培が盛んです。「年々作りにくくなっている」という声もお聞きしますが、日々様々な工夫と努力で、おいしい果物を私たちに届けてくださっています。
しかし、傷が深かったり、形が発送や販売向きではないもの、販売の最盛期を過ぎてしまったものなどは、泣く泣く廃棄されているものも多くあるのが現状です。
1年間手塩にかけて、同じように愛情を注がれて育ったものなのに…。
何か私たちにできることはないか…と、ずっと考えていたところで、素敵な出会いがありました。
鳥取県鹿野町にある障がい者福祉施設(障害福祉サービス事業所「すずかけ」)さんです。
こちらの施設では、日頃から乾物づくりを手掛けられており、食品づくりに対するノウハウと技術に優れておられます。加工の多くは、手作業でされていて果物の皮むきや刻み作業も、とても丁寧です。
そこで私たちは、すずかけさんご協力の元、ドライフルーツに形を変えて、皆さまの元へ生産者さんたちの果物をお届けする取り組みをはじめました。

私たちがドライフルーツにこだわった理由は、元々もっている果物や野菜のポテンシャルを引き出すことで、その価値を感じていただけると思ったからです。
加工していただいている職員さんからは、「柿などは、流通できないくらい完熟しているようなものの方がドライフルーツにしたときにはおいしいんですよ」と教えてくださいました。
確かに食べたときの、ねっちりとした甘みは、半生の飴を食べているようです。

「捨てる」その選択は簡単かもしれません。
ひとつずつ丁寧に皮をむき、刻み、乾かして販売することは、その何倍も時間も手間もかかります。
だけど、私たちは農家さんが次の年のために、なるべく余すことなく産物を活用、販売できる選択をしたい、と思っています。
まだ始まったばかりの、小さな小さな一歩ですが、踏み出した一歩が私たちの食文化をより豊かに、暮らしがより充実したものへと繋がっていくと信じています。
サスティナブルな暮らしの新しい選択肢として、「ありのままベジフルの会」を加えていただけると嬉しいです。

▲パッケージも、果物やお野菜が、不揃いでも寄り添うように、ちりばめられている様子が表現されています。
大江ノ郷自然牧場で働きながら、とりのひと編集室スタッフとして取材に行った内容をもとにした記事を書いています。生産者さんのお話をきくのが大好き!人となりや商品の魅力が伝えていけるよう日々邁進しています。