中川酒造さんは、鳥取県東部地域では最も古い歴史を誇る酒蔵。創業は1828年(文政11年)にさかのぼり、以来、長年伝えられた伝統を守りつつ、丁寧な酒造りを行っておられます。
日本海に面した鳥取市は冬の時期には非常に寒く、また、日本海にそそぐ鳥取県の三大河川のひとつである千代川水系の良質な水に恵まれており、酒造りには非常に適した条件が揃っています。
鳥取県特産酒米「強力」のルーツ
大正時代に鳥取県立農業試験場により在来種から選抜育成され、特産酒米として生産されていた「強力(ごうりき)」。生産の難しさなどから昭和29年(1954年)を最後に姿を消していました。
それから数十年の時を経て、鳥取大学農学部で試験栽培を行った時の品種見本が育種保存してあることが判明。低淡白な米質を重視するため、低収穫量を覚悟の上で減農薬・低窒素肥料などを心がけ、挑戦を重ねて1989年(平成元年)に復活しました。
「先人が残した鳥取独自の酒造好適米を使って真の地酒を醸したい」という蔵元の想いを感じられます。
幻の酒米「強力」へのこだわり
アルコール発酵とは糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスを生成すること。
蔵人は温度・湿度管理、そして「床もみ」「切り返し」「盛り」「仲仕事」「仕舞仕事」「出麹」という2日がかりの手作業を施し、お米のデンプンを糖化させる麹菌の胞子たちが健全に繁殖できるようサポートします。
長年培われた蔵付き酵母の影響もあり、中川酒造独特の味わいとなっているのです。
貯蔵期間や貯蔵方法で酒質が変わるのも日本酒の醍醐味。 搾ったお酒を貯蔵する場合、麹が生成した酵素が残り、日本酒の味を変えてしまうことを防ぐため、65℃の火入れを行い春・夏の貯蔵に備えておられます。
夏越えさせることで飲み口はまろやか、香味も整い、味わいはより深く仕上がるのだそう。
最高位「金賞」を受賞した強力
強力シリーズにおいては、炭素ろ過を極力控えて瓶詰めをされています。
お客様に安心に飲んでいただけるよう、複数項目の目視チェック・官能検査・成分分析等を行なった、鳥取の地酒です。
最高位「金賞」を受賞した強力が醸す、苦味・酸味・渋味・甘味が渾然一体となった濃厚な味わいをご堪能ください。
#鳥取 #日本酒
一握りの種籾からやっとお酒にできるまでの量に増やした「強力米」。復活を望んだ蔵人たちの夢が宿っています。