その昔、酒を醸造することを「かむ」と言ったそうです。これは、当時酒を造るのに米を口中で噛みつぶして吐きだし、瓶に貯えて発酵させたことにちなみ、「かもす」はこの「かむ」が変化したものといわれています。 山根酒造場さんでは、素材の恵みに感謝しながら、「世に媚びない酒造り」を信条とされています。
醸は農なり
「日置桜の酒造りは、常に農業の延長線上にある。」
山根酒造場さんでは、お米の生産者ごとに仕込桶をたてる「シングル醸造」をされています。非常に負荷がかかる方法ですが、それまで製造工程で起きると思われていた要因が、実は米に由来するもので、その田んぼの土壌によるものだったり、除草剤の影響だったりと、様々な発見があったのだそう。
さらには、日置桜を愛飲してくださる方のなかに米生産者のファンも生まれるという現象も。農家さんのモチベーションの向上にもつながっているのです。
世に媚びない酒造り
食中酒とは、食をささえるお酒。
山根酒造さんのお酒は、「完全発酵」という方法で作る、“甘くない酒”にあたります。まずしっかりした醪を発酵させる酛(もと・スターター)を立て、健常な酵母を育てながら醪中の糖分を喰いきらせる酒造りです。
日置桜のスタンダート酒は、完全発酵酒醪により日本酒度は+10以上と一般的には大辛口と言われる数値。製成される日本酒度の平均は+14以上なので、数値だけで見ると相当甘くない酒を造っていることになります。
「まずお酒があるのではない。食の隣りで、食を支えるお酒を造ること。」山根酒造場さんで代々大切にされている言葉です。
蔵元のプライドにかけて
「酒は純化していくことこそ進化であり、未来に継承されるべきもの」
お酒とは、農産物の加工品。その土地で生まれる素材から、その土地の自然・文化や習慣、人の想いが集約され風土そのものが醸される。
素材の恵みに感謝し、それを最大限活かすための知恵や工夫を凝らすのが醸造家のスタンスであり、世界中に存在する醸造家たちのプライドであると考えます。
米作りにプライドをかける生産者、純粋に酒が好きで酒造りにプライドをかける醸造家。互いを高め合いながらモノづくりができる喜び。
この土地の人間臭さ、土臭さ。生まれ育った風土を味わいの中にパノラマのように映し出す、そんな酒を造っていきたいと考えています。(山根酒造 酒造りの理念)
素材の恵みに感謝しながら、「世に媚びない酒造り」をされている山根酒造さん。お米の育つ田んぼや蔵人たちの姿が目に浮かぶ、そんなお酒をどうぞご堪能下さい。
#鳥取 #日本酒
鳥取の素材を活かすこと。食の隣で、食を活かすこと。蔵元が大切にする酒の姿を造りだされています。