人とつながり、のんびり寛ぐ古民家カフェ

カフェ七草/0からコーヒー研究所

一面に田んぼが広がるのどかな景色の中で、明るく賑やかな声が響く。その声の主を訪ねて古民家をのぞくと、コーヒーを片手に老若男女、さまざまな年代のひとがそれぞれに寛ぎ、会話を楽しむ姿。入口横のキッチンから「いらっしゃいませ!」と先ほどの明るい声がして目をやると、店主の中村佳世さんが小窓から顔をのぞかせて、屈託のない笑顔で出迎えてくれた。

店主の中村佳世さんとパートナーの瀧山雅人さん、スタッフの廣田綾さん。瀧山さんが焙煎所を営む。

七草がオープンしたのは10年前。最初は日南町の蕎麦屋「ときわすれ清水屋」の隣で開業し、2013年に現在の場所に移転した。一昨年にリニューアルを行い、現在は焙煎所「0からコーヒー研究所」を併設する。「まず地元の人が来て、さらに遠くの人も来てくれるような場所にしたかったんです」と中村さん。焙煎機の導入を機に、「近所のおじいちゃんや、いろいろな人が気軽に来れるように」とコーヒーと焼き菓子が中心のメニュー組み替えて、さらに地元中心の厳選した野菜を使ったランチや軽食を提供している。

自然の恵みをいただく温かな時間

庭先のテーブル席に腰かけて料理を待っていると、お米の香ばしい香りが漂ってきた。「お待たせしました!」と運ばれたランチのプレートには、香りの正体、玄米揚げおむすびと季節の野菜がたっぷり入ったスープ。彩りの豊かさにまず感嘆の声が漏れ、さらに青空の下、自然の恵みを味わう幸福感!食後に頼んだブレンドコーヒーは爽やかで甘みがあり、気持ちをゆったりとさせる。

※現在のランチメニューは、食事後に飲み物やスイーツを楽しめるよう、小腹を満たす揚げおむすびと季節の小さなお惣菜(お口直しのお番茶茶付き)のセットへ変更になっています。

この日のランチは玄米揚げおむすびと、季節の野菜たっぷりのスープ。菜の花やダイコン、ルッコラなど華やか。玄米揚げおむすびは、表面はカリカリ、中はトロリとした食感! 合鴨農法の玄米を使用している。栽培に農薬を不使用、あるいは減農薬の野菜を使用。朝、近所の畑に行き、その日の材料を決めることも。

当初はアレルギーやヴィーガンの人など、誰もが安心して来られるようにと卵や乳製品を使わなかったが、10年間の人との出会いで新鮮な卵や生クリームが手に入るようになり、ロールケーキがメニューに加わった。「出会いがあるたびに、変化しているんです」と。英会話教室として場所を貸したり、朝市やイベントをしたりと人のつながりが新しい楽しみを呼んでいる。

食事をしている間にも次々と客が訪れていたが、中村さんは常連にも、初めて店に来た人にも変わらない笑顔で出迎える。南部町の自然と一体となってみんなを受け入れる温かさに元気をもらい、店を後にした。

文/倉恒弘美

出典:さんいんキラリ 秋号 No.50

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カフェ七草/0からコーヒー研究所

鳥取県西伯郡南部町鴨部82

電話/080-4673-6370(七草)
   090-4105-4158(0研)
営業/11時半~17時
定休/日・月・火曜
   ※その他臨時休業日あり不定休 ※焙煎所は不定休
交通/JR米子駅から車で20分
駐車場/有

ライターのコメント

「おいしゅうなれ、おいしゅうなれ。甘〜い餡子ができあがる」。毎朝観てきた朝ドラのコメントのような七草のぜんざい。塩気で引き立たせた小豆本来の甘みが心地よく、餡子好き男子として王道を歩んできた私が一目惚れした一品です。