食の探訪録|蕎麦ろあん湯村

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編集長

さんいん キラリ

友人のパティシエに教えていただいた蕎麦屋を目指して一路但馬へ。NHKドラマ「夢千代日記」の舞台となった湯村温泉内にあります。
車一台といった狭い車幅の湯村温泉中心街の通りにめんした「蕎麦ろあん湯村」。昼は蕎麦屋、14時から「黄昏ビギン」珈琲専門店となる営業スタイルのお店です。

店内に入ると、入口手前に2人掛けテーブルが4席といった蕎麦エリア、一段上がった奥に喫茶エリアといったこぢんまりとした空間には、趣味のよい器や骨董品、浮世絵などが飾られていた。

蕎麦前3品、蕎麦湯のお伴に漬物、〆に蕎麦茶といった会席風コースで、盛りそばと天ぷらを注文する。

ジャガイモ、パプリカ、ズッキーニの先付は、シャキシャキとした食感で清涼感を誘うウリのような味付け。お次のスベリヒユの野草とハタハタ南蛮漬けの甘酸っぱさ、ナスの焼きものが続いた蕎麦前は、緻密に計算された、蕎麦につながる至福のプロローグ。

民芸調の笊に盛られた丸抜き外一の盛りそばを手繰る。蕎麦の実本来の風味が際立った、これまで食べてきた丸抜きの概念がすっかり覆されてしまった。夏場でもしっかりと香りが立ち、かつ蕎麦の実本来の旨みに、何もつけずにいただいた。料理の美しさを引き立てる器や錫製急須など、店主夫妻のこだわりとセンスに感動した蕎麦会席であった。

食後、喫茶エリアに移り自家焙煎コーヒーをワイングラスでいただく。今時珍しい真空管アンプが奏でるクリアな音色のジャズを聴きながらゆったりとした至福の時間を楽しんだ。

<さんいんキラリのインスタより>

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記事を書いたひと

「さんいんキラリ」は山陰の厳選された『食・工芸・人・地』を季刊で紹介する文化情報誌として2004 年に創刊しました。
四季毎にさまざまなテーマで特集される山陰の豊かな自然環境、暮らしのなかで育まれた旨い料理に手仕事の工芸などを紹介し、山陰だけでなく全国の書店で販売されています。37 号から山陽方面まで取材エリアを広げ、山陰山陽の魅力を美しい写真と文章で綴っている情報誌です。