だしのはなし

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スープ料理家

東條真千子

私たちがたぶん、いちばん最初に自分で作ったスープって、きっとMiso Soup – お味噌汁だと思いますがどうでしょう?私はそうでした。今でも一番好きなスープはお味噌汁です。

大根と大根葉と油揚げのお味噌汁

私が子供の頃、高度経済成長の頃に登場した”顆粒だし”を、母は「便利でおいしい」と言って重宝に使っていました。そしてまた市販のパックやカップに入ったお味噌にも”だし入り味噌”なるものが出始め、だしって何だろう?と子ども心に思いながらも、うちの”おふくろの味”は顆粒だし。だしの旨味のことがちゃんとわかったのは、18歳で実家を出て自分でごはんを作るようになってからでした。(ちょっと遅かった。。。)

私は今アメリカに住んでいますが、多くのアメリカ人が”UMAMIー旨味”という言葉を知っています。もちろんシェフで知らない人は皆無(いたらモグリ)。お味噌汁もスープも、もちろん他のお料理も、この”旨味”が味の下支えになっているのは間違いありません。

甘味、酸味、塩味、苦味、の基本味覚に追加された旨味。この世界が認める”旨味”を食文化に持つ日本人としましては、どうしても日々の食事に欠かせない汁物を、正しくおいしく作りたいわけです。よく「だしを取るのは面倒」とか「だしを取る時間がない」という話を聞きますが、その気持ちわかります!私も働きながらの子育て中は、なかなか大変な作業でした。だから、”面倒でなくて、放っておいてもいいだしの取り方”で、簡単においしくいきましょう!

ビンはだいたいがトマトソースの空き瓶。空きビン好きなので、大小各種ゴロゴロ取り揃えております。便利!

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【昆布だし】
だし昆布…10cm程度を2枚
水…500cc

【かつお昆布だし】
かつお節…15g
だし昆布…10cm程度を1枚
水…500cc

【しいたけだし】
干ししいたけ…4~5枚
水…500cc

作り方
すべて、材料をビンなどに入れて冷蔵庫で半日〜一晩置くだけ。

……………………………

そうです、水に浸けておくだけで良いのです!干ししいたけって、使うとき水に浸けて戻して、浸け汁も煮物に使いますよね?それがよい旨味のあるだしになるわけですから、昆布もかつおぶしも同じ事なのです。

昆布だしと、かつお昆布だしは、使う時水分だけ使ってもよいですが、中身も一緒に鍋に入れて加熱し、沸騰し始めたら火を止めてザルなどで濾して使うのがオススメです。それは中に含んだ旨味を全部放出させるため。

うちはこの水出しだし、常に冷蔵庫で待機しています(使ったらすぐ次を仕込んでおくので)。これでいつでも安心して、お味噌汁でもスープでも(洋風のスープにも昆布だしを使ったりします)煮物でも、何でもパッと作れます。

だしの旨味は味の下支え。いい言葉ですね〜!

アメリカに来て初めて見たビン洗いブラシのような花が咲く木。名前はBottlebrushと、そのまんま!

さて、最後になりましたが自己紹介。

スープ料理家というタイトルで、食品添加物を使わないスープの商品開発をしております。ロサンゼルス在住ですが、日本と行き来しながら仕事というか、生活をしています(ここ2年ほどは帰れてませんが…)。スープ作りは、仕事という感覚はなく、ライフワークで、人生の一部です。安全な食品が少しでも多く世の中にあれば良いなと思いますし、お家で作ってみんなで食べるごはんが、正しくおいしくありますようにと、それを一番願っています。

これから2週間に一度の頻度でスープレシピブログをお届けします。時々LAの様子などもお伝えしていきますね。どうぞよろしくお願いします。

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記事を書いたひと

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スープ料理家

東條真千子

スープ料理家/グラフィックデザイナー
鳥取県生まれ。アメリカ・ロサンゼルス在住。食品添加物を使わない商品開発、スープレシピの創作を行う。『東條真千子のやさしい鍋スープ』シリーズは発売から十数年続くヒット商品。